問題に奥にあるお悩み

あるとき、「従業員が、ある書類を提出してくれない」ことについて、ご相談をいただきました。

・「代わりとなる書類はあるか」

・「期限を守るためのルール作り」

・「分かりやすい記入例の作成」

・「書類の管理方法」

これらについて解決したいような内容なのかと思いきや、それは単なる入口で、更にお話を聞いていくと、その人が書類を出さないことはほんの話の一端で、本当の問題は別であることが分かりました。

それは、その従業員の方の態度が周囲に悪影響を与えていて対応に苦慮していること、そして会社としてどう態度を決めればいいのか迷っていること、つまり、いわゆる(感覚的に)問題社員だと思っているその従業員をどう扱っていけばよいのかが分からない、ということでした。

書類の提出問題ではなかったのです。

「何が本当の問題なのか」を明確にすることはとても大切です。何か分からないけどうまくいっていない、ということはよくあります。

このケースでは、なんとか工夫して書類を出しやすい環境を整え、提出してもらったとしても、すぐにまた別の問題が発生したと想像されます。

このときは、就業規則の根拠と理想の状況をヒントにして一緒に解決の道を探りましたが、労務相談では、このように、混乱を解きほぐすような視点も大切にしてお話をお聞きしています。